ボルナ病ウイルスの疫学

ヒトの疫学

1985年、米国とドイツの共同研究により統合失調症患者と双極性障害患者がBDVに対する特異抗体を有意に高率で持つことが報告されました。 それ以降、BDV感染と様々な中枢神経疾患との関連性について多くの研究論文が発表されています。 多くの報告では何らかの疾患との関連性が示唆されましたが、報告により抗体陽性率にかなりのばらつきがあり、また抗体価が高くないことなどから、BDVと特定疾患との関連性についてはまだ結論が出ていません。

動物の疫学

BDV感染は産業動物や伴侶動物をはじめ、野生動物にも広く確認されている。見かけ上健康な個体にもBDV抗体は検出されています。 日本では、健常なウマ、ウシ、ヒツジ、ネコの10-20%が抗BDV抗体を持つことが報告されています。神経症状を呈した動物では抗BDV抗体陽性を示す割合が有意に高くなることが報告されています。